ドラマ視聴メモ(仮)

主に過去のドラマを、一気に見てあらすじ・まとめ・レビューをしています。

【黄昏流星群】第8話:まるっと文字起こし

前回

www.mmiimmoo.net

 

黄昏流星群〜人生折り返し、恋をした〜 【第8話】

黄昏流星群

黄昏流星群 - フジテレビ

(瀧沢家)
瀧沢完治(佐々木蔵之介)と、瀧沢真璃子(中山美穂)は、娘・美咲(石川恋)の置手紙を見ている。
 
美咲《ごめんなさい。私、やっぱり結婚できません。先生とロンドンに行きます。》
 
真璃子「戸浪先生?美咲といくつ離れてると思ってるのよ。おじいちゃんと孫じゃない!」
完治 「わかってるよ。そんなこと。」
真璃子「あなた、知ってたの?」
完治 「ん。」
真璃子「知ってたらなんで教えてくれないの。」
完治 「すまなかった。」
真璃子「あなたには話して、私には話してくれないんだ。」
完治 「それは、俺がたまたま見かけただけで。」
真璃子「見かけた?なにを。」
完治 「美咲と先生が、一緒にいるところだ。」
真璃子「一緒に?……ねえ、美咲はどこにいるの?」
完治 「知らないよ。」
真璃子「ほんとに知らないの!?ね、知ってたラ教えて!」
完治 「いや、俺だってわかんないよ。」
 
(瀧沢家・美咲の部屋)
美咲の机を探す真璃子。
真璃子と美咲が一緒に写るプリクラを見つけて「美咲…」とつぶやく。
 
(日野家・玄関)
完治 「申し訳ございませんでした。」
 
玄関の上がり口で、春輝の母・日野冴(麻生祐未)に土下座で謝る、完治と真璃子。
日野春輝(藤井流星)は「顔を上げてください。瀧沢さん。」と完治の肩に触れる。
 
冴は無言で、室内に戻ってしまう。
 
 
玄関を出たところで、完治は「申し訳ございませんでした。」と再度言い、完治と真璃子は、深々と頭を下げる。春輝も無言で頭を下げる。
 
冴が突然、「帰れ!帰れぇ!!」と完治と真璃子に対して、塩をまく。
※土俵入りの量。
 
春輝はお母さん、お母さん。」と制止し、
二人に「どうぞお帰りください。」と声をかける。
制止されてもなお、塩をまき続けようとする冴。
完治と真璃子はとまどいながら、足早に去る。
 
力尽き、座り込む冴。
 
春輝「大丈夫?こんなことするからだよ。」
冴 「なに、言ってんの、あなた。悔しくないの。」と肩でゼイゼイと息をする。
春輝「悔しくないよ、僕も悪いんだ。」
冴 「どういうこと?」
春輝「部屋に戻って休もう。」
 
(荻野倉庫・食堂)
入り口から、栞でないスタッフがゴミだしするのをみつめながら、完治は思い出す。
 
房江『あなたにもう、会いたくないって。別れたいって。』
 
笑顔の栞。
 
(荻野倉庫・事務所)
上司「瀧沢君の発案した、想い出ボックスが、大変な評判になっています。将来的には事業計画の一つの柱となっていくでしょう。瀧沢君、ひとこと。」
 
完治「いやぁ…」と遠慮する。
奥山敦子(三浦真椰)「瀧沢さん!」と押し出し、
木内祐輔(笠松将)は「よっ!瀧沢さん!」と声を上げ、女性社員らも笑顔で拍手をする。
 
完治「素人同然の私の思いつきを、信じて支えてくださった、川本課長!そしてみなさんのおかげです。ありがとうございました。」
 
(荻野倉庫・食堂)
栞の同僚・小俣房江「ご注文は?」
完治「目黒さんは?」
房江「今日はお休み。体調不良だって。早く、注文!」
完治「カレーライス。」と食券を差し出す。
 
(栞の自宅)
薄暗い部屋で、ふとんから置きだすが、食卓に座り込むのが精一杯。
 
美咲『お願いがあります。父と別れてください。』
 
玄関のチャイムが鳴り、「こんばんわ。」と完治の声がする。「瀧沢です。」
 
完治「大丈夫ですか。体調が悪いと…」
 
栞は玄関のカギを開けずに、ガラス戸越しに言う。
 
栞 「帰ってください。お別れしたいとお伝えしたはずです。」
完治「どうしてですか、どうして急に。」
栞 「同じ会社でこういうことやっぱり、よくないと思うんです。私、今の職場、とても気に入ってるんです。変な噂が立って、辞めなきゃいけないようなことになったら、困るんです。」
完治「でも、それはわかりますが…」
栞 「女が、ひとりで生きていくって、結構大変なんですよ。正社員で身分が保証されている、瀧沢さんとは違うんです。ごめんなさい…わかってください…ごめんなさい……」
 
力なく言い、栞は部屋に戻ってしまう。完治はそれ以上、なにも言えない。
 

(瀧沢家・食卓)

完治が物思いにふけ、手が止まっている。真璃子「何考えてるの?」とキッチンから声をかけられ、「え、あ。」と食事を再開する。
 
真璃子「美咲、今頃どこにいるのかな。」
完治 「イギリスにいるんじゃないか、先生と。」
真璃子「でもどうして、電話に出てくれないんだろ。……ね、やっぱり警察に電話したほうが。」
完治 「美咲も大人だ。そこまですることない。」
真璃子「どうしてそんなに落ち着いていられるの?心配じゃないの?」
完治 「心配だよ、俺だって。」
真璃子「全然そんな風に見えない。なんだか他人事見たい。他にもっと、気になることがあるんじゃない?いろいろと。」
完治 「なに、いろいろ?」
 
真璃子が続けようとしたところで、玄関のチャイムが鳴る。
 
真璃子「……美咲?」と言いながらあわてて玄関に向かう。完治も後を追う。
 
(瀧沢家・玄関)
玄関を開けると見知らぬ年配の女性。
「主人がどこに行ったか、ご存知ないですか。」と突然詰め寄ってくる。
 
真璃子「あの…」
女性 「あ、夜分にすみません。私、戸浪カズヨと申します。」
真璃子「となみ…。」
 
(瀧沢家・リビング)
完治 「私たちも、娘の居所はわかっておりません。」
 
真璃子がお茶を出す。
 
カズヨ「そうですか…。」
完治 「本当に申し訳ありません。」
 
深々と頭を下げる完治を見て、真璃子も「申し訳ありません。」と頭を下げる。
 
カズヨ「いいんですよ、悪いのはお互い様でしょ。…二人で楽しくヨーロッパ旅行でもしてるのかしら。」
真璃子「だったら、まだいいんですけど…」
 
カズヨは真璃子を険しい顔で見る。真璃子が気づき「あっ、ごめんなさい。」
 
カズヨは少し表情をやわらげ、続ける。
 
「そうよね。私もそう思うわ。いい歳して、心中なんかしないでしょうし。歳とってかかるハシカは重い、って言うから。あの人ね、いろいろ変なクセがあるんです。外では格好よくしてるのかもしれないけど、ウチでは、ヒドイの。若いお嬢さんには、そういうの、いずれ耐えられないと思うの。そうね。あの人、きっと捨てられるわ。私、離婚しません。もし、お嬢さんから連絡が来たら、それだけは伝えてください。」
 
(瀧沢家・食卓)
水原聡美(八木亜希子)「そんなにショックか。」
真璃子「ん?」
聡美 「真璃子は娘命なんだなーと思って。」
真璃子「だって、心配で。携帯には出ないし、メールは読んでる様子ないし。今、なにしてるのか。どこにいるのか。生きてるのか、死んでるのかもわからないのよ。」
聡美 「生きてるでしょ。生きて楽しんでんのよ。恋愛を、人生を!勝手に楽しませておけばいいじゃない?」
 
真璃子「私ね、あの子の一番の相談相手だと思ってた。いろいろあっても、あの子が最後に頼るのは私なんだなーって思ってたの、なのになにも言わず。主人には秘密を話してたけど、私には話してくれなかった。なんか、自分の人生、ぜーんぶ否定されたみたい。」
聡美 「ダンナに浮気されるよりも、よっぽどショックって感じだね。」
真璃子「なんでだろ。あの子が家にいないだけで、体の一部がもぎ取られたみたい。」
聡美 「うらやましいな。」
真璃子「うらやましい?」
聡美 「そんなに大事に思えるものがあるなんて。子どもってすごいね。私はもう一生、そういう思いすることないんだろうな。」
 
(若葉銀行・本店)
井上秀樹(平山祐介)と歩く完治。
 
完治「ありがと、おまえのおかげだ。」
井上「特に俺はなにもしてないよ。荻野倉庫の経営実績に応じた融資だ。」
完治「元はと言えば、おまえが上を説得してくれたおかげだ。感謝してる」と頭を下げる。
井上「楽しそうだな、瀧沢。」
完治「あ、ま、おかげさまで。」
井上「おまえはいい時に銀行を辞めたよ。」
 
部下「井上部長、会議がはじまります。」
井上「おう、今行く。…じゃ、またな。」
完治「また!」
 
ひとりになった途端に、渋い表情になる井上。
 
(荻野倉庫・事務所)
終業のベルが鳴る。 
木内「よっしゃー、終わった!」
奥山「木内君、喜びすぎ」
 
川本保(中川家礼二)が瀧沢のデスク横まで歩みより、改めて言う。
課のメンバーは、心配そうに二人を見る。
 
川本「瀧沢さん、これから、どうですか。私とサシで一杯。」
完治「お願いします…。」戸惑いを隠せない。
 
(居酒屋)
川本「いやー、悔しいけど。ビックリさせられることがいっぱいやな、瀧沢さんには。へっへっへ。いやあ、自力で顧客を開拓して、融資も獲得してくださった。私にはできないことです。」
完治「いえ、そんな。」
川本「私のあだ名、知ってはります?」
完治「いや」
川本「カメ課長」
完治「ああ…」
川本「ああ、ちゃいます。顔がカメに似てるから、ちゃいますねん。あのー、万年課長。亀は万年、っていいまっしゃろ?いやー、言うたってね、毎年、今年こそ昇進やーいうてそわそわして、頭を甲羅からヒューって出したら、その頭またパーンと叩かれる、へっ。取引先やら、銀行や、上の方からわけのわからんヤツがやってきて、それでなんにもせんのに、給料だけ持って帰りよんねん。もううんざりしてました。ま。」
完治「どうもすみませんでした。」
川本「いや、あんたは違う。今度のことでわかりました。もう、本気でウチの会社のことを考えてくれてる。それになにより、諦めん人やった。いやあ。いくつになっても、どこにおっても、諦めんちゅーことは大事なことや。ね。」
完治「私も、勉強させてもらいました。」
川本「いや、俺も、部長になんの、諦めんとこーかなー。」
完治「いや、なれますよ、川本さんなら!」
川本「や、どの口が言うてんの?」と笑いあう。
 
スマホが鳴る。完治「あ、すみません。」美咲だ。
 
完治「美咲か、今どこにいる。」
 
(成田国際空港)
国際線ロビーを、人を探しながら歩く完治。
ひとりで座る美咲を見つけ、「美咲」と声をかける。
 
完治「先生は?」
美咲「ラウンジで休んでる。呼ぶ?」
完治「ん、お前と話したい。……先生の奥さんとお会いしたよ。」
少し驚いた様子の美咲「そう…」
完治「ウチを訪ねていらした。立派な方だった。先生と離婚する気はない、とおっしゃってた。」
美咲「そう…」
完治「それでも行くのか。」
美咲「行く。私、先生と結婚したくて一緒にいるんじゃない。一分一秒でも長く、先生といたいだけなの。」
完治「そっか。」
美咲「お父さん、ごめんね。」
完治「謝るなよ、謝ったところで、どうせ行くんだろう。」と腰掛ける。
 
美咲「そうじゃなくて…目黒さんのこと。あの人に別れてくれって言われたでしょ。」
完治「なんで。」
美咲「私が頼んだから。癪だったんだ、お父さんが取られるのが。」
完治「取られる?」
美咲「昔からずっと、お父さんって仕事に夢中だったじゃない?仕事が一番。家族は二番なんだなーって、でもそれは我慢できたの。しょうがないなーって思ってた。だけど、いつのまにか一番がすり替わって、目黒さんってことになるのがイヤだった。そりゃないよって思うじゃない。」
完治「美咲…」
美咲「私、目黒さんにヤキモチ焼いたんだ。」とうなだれる。
 
完治「お母さんには、話したのか。」
美咲「まだ、話してない。お父さんはいいの。もう恥ずかしいところ、見られちゃったしね。でも、お母さんには…お母さんには私、合せる顔がない。申し訳なくて…。」
完治「お母さんと話しなさい。行くなら。お母さんにキチンと話しなさい。」と自分のスマホを差し出す。
 
(瀧沢家)
美咲とのプリクラを見つめる真璃子。スマホが鳴る。表示は《完治さん》
 
真璃子「もしもし?なに?」
美咲 「お母さん。」
真璃子「美咲?今、どこいるの?」
美咲 「今、空港。お父さんと一緒。」
真璃子「今までずっとどこにいたの?」
美咲 「先生と、日本の中をあちこち、ずっと旅してた。これから、10時の便で先生とロンドンに行く。」
真璃子「どうしても行くの?」
美咲 「ごめんね、お母さん。お母さんが思うような、大人になれなくて、ごめん。みんなに喜んでもらえるような、素敵な結婚式とかあげられなくて…」と泣きじゃくる。
真璃子「どうでもいいの。なんでもいい。あなたが、元気でいてくれれば。お母さんはそれでいい。」
 
美咲のトランクケースには、真璃子が見ていた二人のプリクラが貼られている。
完治も美咲の様子を見て、目に涙をためている。
 
真璃子「元気でいってらっしゃい。体だいじにね。」
美咲は大きくうなづきながら、「わかった。じゃ行くね。…おかあさん?ありがと。」
 
真璃子も泣いている。リビングに並ぶ、美咲の小さい頃からの写真。
 
(タクシー)
帰路。完治は空港での会話を思い出す。
 
完治「わかってるな。おまえは、いろんな人を裏切って行くんだ。だから、絶対幸せになれ。」
泣きながらうなづく美咲を、完治は抱きしめる。
 
(瀧沢家・食卓)
完治と真璃子は向い合せで座り、食事をしている。真璃子の手がすすまない。
 
完治 「おいしいよ。」
真璃子「ん?」
完治 「ビーフシチュー、うまいね。」
真璃子「美咲の好物。あの子、マッシュルームが好きで、ひとパック入れておくと、全部自分で、先にお皿に取っちゃうの。」
 
ひとくち、口に運ぶが、スプーンを起き、泣き始める真璃子。
完治は手を伸ばし、真璃子の手を握るが、真璃子は手を抜いて、席を外してしまう。
 
(荻野倉庫・事務所)
窓の外の屋上にいる、完治と川本を見て、
 
奥山「あの二人、仲良さそうだよね。」
木内「おお、ホントだ。仲良くなったんだね。」
 
川本「そうですか。娘さんがねー。瀧沢さんもエライ決断しましたな。」
完治「いえ…」
 
奥山「瀧沢さん、若葉銀行からお電話です。」
完治「あ、はい。
 
完治「お待たせいたしました、瀧沢です。……来週ですか?はい、わかりました。失礼します」
 
川本「なに言うてきました?」
完治「来週、本店に来るように、と。」
 
(栞の自宅)
房江「駅前でね、奮発して買ってきちゃったー!」
栞 「え?」
房江「きれいでしょー、ほら!クリスマスローズ」と鉢植えを差し出す。
栞 「へー、かわいいー」
 
二人でお茶を飲みながら、
房江「まだ好きなんでしょう。あの人のこと。」
栞 「え?」
房江「別れたいって言うから手伝ったけどさ。」
栞 「もういいの、ジタバタしても傷つくだけだし。いい歳だし、もうおわりで。」
房江「栞ちゃんに言われたら、私どうすんのよー。」
栞 「え?笑 房江さん、誰か好きな人いるの?」
房江「いる、いる。俳句教室の先生。人気の先生でさ、私が仲がいいからって、他の生徒たちに嫉妬されて大変!みんな、私と似たような歳なのに、いい歳して元気よ?」
栞 「そうなんだ。」
 
房江「あ、この花ね、日陰のほうがよく咲くんだって。そういう花もあるのよね。でもいいじゃない?日陰に咲いたって、花は花だもん。」
 
窓から夕焼け空を見る栞。
 
(外)
完治は夕日を見ながら思い出す。
 
栞『隣に誰かいてくれたらな、って思わなくないです。いつもじゃなくて、時々でいいから。』
 
あの日も夕方だった。
 
(居酒屋)
店主・徳田和夫(小野武彦)「いらっしゃい」と見上げ、少し驚く。
 
栞 「いいですか?」
徳田「あっどうぞ。どうぞ。」
 
 
栞、酒を飲みほして、「はぁ…ごちそうさまでした。おいくらですか。」
徳田「1,500円になります。」
 
店の扉が開く音。徳田は「へぃ、いらっしゃい。」と入り口を見て、栞を見る。
 
栞が立ち上がり振り返る。完治だった。
 
帰ろうとする栞に、「あ、待ってください。」と声をかける。
完治「あ、冷ください。彼女にももう一本。お願いします。」
徳田「はいよ。」
完治「今日は、大将と話しに来たんです。…ですから、ちょっとの間、座っていただけますか。」と栞に言う。
 
静かに席に戻る栞。
 
完治「大将、聞いてください。娘が家を出て行きました。60過ぎの、40近く歳の離れた大学教授と、駆け落ちするみたいにロンドンに行ってしまった。非の打ちどころのない婚約者がいて、結納もすませて、あとは結婚するばかりだった。…でも俺、娘、止められなかった。娘の気持ちがよくわかるからです。好きになってはいけない人を、好きになる気持ちが。娘が言ってました。先生と一緒になりたいわけじゃない。ただ一分一秒でも長く、そばにいたいだけだ、って。俺も同じです。ただ、一緒にいたい。一分一秒でも長く。ねぇ大将、俺には家族がいます。妻がいて、娘がいる身で、こんなこと思うの。身勝手なんスカね。でも…どうしようもないんですよ。家族を裏切りたくない。裏切るのがツライと思う気持ちにピッタリくっついて、どうしようもなく、その人を求めてしまう。毎日でも会いたい。声が聞きたい…愛おしく思ってしまう自分がいるんです。この気持ちがおさえられない。どうしたらいいんですかね。」
 
徳田はジャンパーを着込み、表ののれんを降ろし、「ちょっと、買い出し言ってくる」と二人を残し、店を出る。
 
栞 「私も一緒です。瀧沢さんに会えるのが、ほんの2時間でも30分でも、それが、心の支えになってました。食堂で、ほんの一瞬、目を見かわすだけだったとしても、私の一日に光が差すんです。一日に一度、あなたに会えることが、私の生きていく力になりました。あなたが好きです。本当は別れたくない。」
涙声で言う。
 
完治は、栞の隣に席を移し、「山、行きませんか。今度こそ、一緒に山に行きましょう。」
涙を流しながら、うなづく栞。
 
(瀧沢家)
真璃子「銀行から呼び出し?」
完治 「理由はわからないが、仮に融資を打ち切られたら面倒なんだ。」
真璃子「そう…」
完治 「そんなことないと思うけど。……ああ、週末、また山に行ってくる」
真璃子「もう、秋も深いのに、寒くないの?」
完治 「うん、今の時期、空気が澄んできれいなんだ。」
 
真璃子「そう、楽しみね。」
※真璃子は「私も一緒に行ってみようかな」って言えばかわいいのに。
 
(瀧沢家・寝室)
その夜、完治の寝る後姿を見る、真璃子。
 
(栞の自宅)
居間には、日本アルプスの地図や、登山用のリュック。
玄関で、登山靴を準備する栞。
 
また栞は、違和感を感じたしぐさ。電灯を見上げると、いくつかの黒い点が見える。

※めまいや耳じゃなく、飛蚊症だったんですね。

 
ゆっくりまばたきしたり、首をふりながら立ち上がり、戻ろうとしたところで玄関の上がりに躓き、クリスマスローズの鉢植えを落としてしまう。
 
(病院・眼科)
医者「目がかすんで見えづらい?いつごろからですか。」
栞 「はい…えっと…数ヶ月前くらいからです。」
医者「他に症状はありませんか。」
栞 「手がしびれる時があります。」
医者は顔をあげ、「手がしびれる?……では見てみましょうか。」
 
診察をする。
 
(病院・外)
立ちくらみを起こし、看板によりかかる栞。診断を思い出す。
 
医者『お母様も確か、糖尿病でしたね。あなたも同じ、糖尿病です。それに…』
 
目がかすむ栞。
 
(外)
待ち合わせ場所で待つ完治のスマホが鳴る。
 
栞《ごめんなさい。今日の山登り、行けなくなりました。》
 
完治が、だいじょうぶですか…と打ちかけていた時に、立て続けに届いたメッセージを見て、違和感を感じ、駆け出す。
 
(栞の自宅)
完治。玄関が開かない。
 
裏手に回っても、室内には人気がない。
 
鉢が割れたクリスマスローズが、片付けられ、仏壇も閉じている。
 
栞《ありがとうとざいました。素敵な景色を、たくさん、たくさん、見せてもらいました。忘れません。》
 
スイスで夜空を見た時の栞。
 
待ち合わせにベレー帽で来た時の栞。
 
栞の家で、朝食を食べた時。
 
一緒に夕日を見ながら、隣に誰かいてくれたらと言う栞。
 
次いつ見れるかわからないし、と二人で満月を見てほほえむ栞。
 
思い出し、茫然とする完治。
 
(公園)
真璃子「はい。」とハンカチを差し出し、「長い間、返しそびれてごめんなさい。」
 
春輝 「いつでもよかったのに。」
真璃子「そうはいかないわ。それと、美咲のこと、ほんとにごめんなさい。」と頭を下げる
春輝 「それはいいんです。ほんとに、これで終わりですか?僕たち、一人の男と女として…ではなくても、人として付き合ってくっていうのはナシですか。」
真璃子はベンチから立ち上がって、「ナシです。」キッパリ言う。
 
春輝 「どうして。」
真璃子「まず、第一に、私には家庭がある。」
春輝 「美咲ちゃんは家を出て行った。ご主人には恋人がいるんでしょう。」
真璃子「歳が違いすぎる。」
春輝 「つまんない理由だな。」
真璃子「つまんなくても大きな理由よ。…あなたと知りあえてよかった。お母さんを大事にして、いい人みつけて結婚してください。じゃ…」
春輝 「待って。最後のお願い、聞いてもらえませんか。」
 
(日野家)
寝室を覗く春輝。冴はよく寝ているようだ。
 
リビングのソファで待つ真璃子は「お母様にご挨拶したいんだけど。」と春輝に言う。
 
春輝「今、眠っているんです。そっとしておきましょう。」
 
※うそだろ。どんなお願いして、なんで素直についてきてるんだ真璃子は。正気か。
 
目が覚める冴。
 
 
庭でハーブをとり、キッチンで洗い、庭でハーブティを飲む。
終始、微笑みあう春輝と真璃子。
 
真璃子の手を握る春輝。
 
 
寝室から降りてきた冴。リビングの女性のバッグを見る。
 
外へ続く扉が開き、カーテンが揺らいでいる。
 
近づいて外を眺めると、春輝が真璃子の手を握っている。
 
視界がボヤけ、その場で倒れこむ冴。カーテンをにぎっていたため、カーテンレールから外れてしまう。
 
ドスッという鈍い音で、春輝と真璃子が気づき、駆け寄る。
 
春輝「お母さん。お母さん!」
 
(栞自宅そばの橋)
ウロウロと、栞の帰りを待つ完治。
 
スマホが鳴り、見ると守口専務からだった。
 
完治「お久しぶりです、守口さん…」
 
(バー)
※ドラマ「大恋愛」松岡昌宏と草刈民代が付き合うきっかけになったバーですね。セラーバー | レストラン&バー一覧 | レストラン&バー | リーガロイヤルホテル東京
 
完治「お久しぶりです。」
守口「ほんとに久しぶりだなー。なに飲む?」
完治「ビールを。」
守口「ビール…」 人指を立て、バーテンにオーダーする。
 
完治「お元気でしたか」
守口「ん、まあまあだよ。まあまあいろいろあって、専務に返り咲いた。」
完治「え?…え、そうなんですか!?あ、おめでとうございます。」出されたビールで乾杯する二人。
守口「来週本店に呼ばれただろう。それについて、俺のクチから先に伝えておきたい。銀行に戻ってこないか。」
 
(病院)
救急車のサイレン。
 
椅子に座り、待つ真璃子。
 
春輝が救急処置室から出てくる。
 
真璃子「お母さんの具合は?」
春輝 「貧血と、腹水もたまっていたそうです。…実は先月、病院に行ったら、ガンが再発していると言われて。すぐにどうこうという訳じゃないんですけど、何日か入院することになりそうです。」
真璃子「そう…これから大変ね…。」
春輝 「母の世話は慣れてますから。これから家に戻って、荷物を取ってきます。」
真璃子「…じゃあ、私は帰るね。」
春輝 「送ります。」
真璃子「いいのよ、タクシーも電車もあるから。」
春輝 「いえ、送らせてください。」
 
(車内)
線路沿いで車を止める。
 
春輝 「今日は、ありがとうございました。」
真璃子「いいえ。……お大事に…お元気で。……じゃ。」
 
シートベルトを外し、出て行こうとする真璃子の手首をつかむ。
 
春輝 「行かないでください。行かないで。」
 
春輝はシートベルトを外しながら、真璃子にキスする。 ※お上手。
真璃子もそれに応え、春輝の首に腕を回す。
助手席のシートを倒す。 ※ええっ。
(完)
 

第8話:まとめと、言いたい放題ドラマ評

(まとめ)
  • ビリギャルはなぜか、高田純次と国内旅行をしていた。ロンドンはこれから。
  • 黒木が別れを言いだしたのは、石川のせいだったとわかり、蔵之介は山へ誘う。二人で山に登れないフラグです。
  • 想い出ボックス好調。銀行にもどれそうだが、たぶん頭によぎったのは黒木のこと。
  • 中山は、塩まかれた日野家に堂々と立ち入り、のんきにハーブティー。麻生祐未の体調が思わしくなり、結界の力が弱まっているのだ。
(言いたい放題ドラマ評)
中山がショックを受けている・こだわっているところは、「蔵之介には話してたのに、自分には話してくれなかった」ということ。蔵之介と話そうともしない、八木亜紀子のことばも届かない。どのシーンでも、自分には、自分が、自分は…自分のことで身勝手な母親だ。だからだよ。ざまあ。
 

次回

www.mmiimmoo.net

 

【黄昏流星群】第7話:まるっと文字起こし

前回

www.mmiimmoo.net

 

黄昏流星群〜人生折り返し、恋をした〜 【第7話】

黄昏流星群

黄昏流星群 - フジテレビ

(病院・完治の病室)
完治「おおお、二人で見舞いに来てくれると思わなかった!たまには怪我もするもんだな!」
 
瀧沢完治(佐々木蔵之介)は、ケーキ箱の中を見ながら、瀧沢真璃子(中山美穂)に言った。
病室には、水原聡美(八木亜希子)と須藤武史(岡田浩暉)が見舞いに来ている。
 
真璃子「バチあたりなこと言わないの。ああ、忙しいのに、ありがとうね。須藤さんも、ありがとう。」
聡美 「須藤さんが行こうって。ほんとは二人で映画に行こうって言ってたんだけど!ねー」
須藤 「いや、でもよかったよ。案外元気で。」
完治 「いや、昔から体だけは丈夫だったからな。」
須藤 「そうじゃなくて、青山店の開店祝いに来てくれただろう。あの後おまえが、銀行出向になったって聞いて、だったら俺、悪いこと言ったんじゃないかって。
 
須藤『銀行の支店長か…、すごいじゃないか。これからも王道を突き進めよ。』
 
完治「なんだか…ずいぶん昔のことのように思えるな。」
須藤「そうか。」
完治「人間万事塞翁でね、まあいろいろあるけど、今の会社も悪いことばっかじゃないよ。」
 
真璃子「ねえ。私、下の売店で紙皿買ってくる。いただいたケーキ、みんなで食べたいから。」
聡美 「あ、じゃ、わたしも行く。」
 
二人が病室を出て行くと、完治は、聡美と来た須藤をペシペシとからかうように叩く。
 
須藤「なんだよ。」
完治「いや、なんか、よかったなと思って。」
須藤「ああ。彼女ああ見えて、意外と家庭的なんだよ。なにより、気が置けないっていうか、肩ひじ張らないで付き合えるのが、んー心地いいってかさー。」
完治「ごちそうさまでーす。笑」
須藤「それでさ、おまえにちょっと頼みがあるんだけど。おまえの会社、倉庫業やってるよな。」
完治「おお。」
 
(瀧沢家・キッチン)
ひとりで食事を終え、食器を片づける真璃子。
キッチンハーブを見て、思い出す。
 
春輝とハーブティを入れたこと。
 
帰りに振り返って真璃子をみつめる春輝。
 
春輝の職場で、涙をふいてもらったこと。
 
鬼怒川のホテル。春輝からキスされたこと。
 
春輝『僕が好きなのは、真璃子さんです。』
 
真璃子のスマホが鳴る。《春輝さん》の表示。一瞬出るのをためらうが、応答する。
 
真璃子「はい。」
春輝 「その後、どうですか。瀧沢さんの具合は。」
真璃子「ああ、ありがとう。あっちこっち、打撲だの打ち身だのあるけど、明日には退院して、ふつうに会社にも出られるみたい。」
春輝 「そうですか。よかったです。」
 
少しの沈黙のあと、「美咲は…」「美咲ちゃんは…」声がかぶる。
 
真璃子「美咲は今、会社なの。忙しいみたいで。…毎晩帰りも遅くて。」
春輝 「そうですか。」
真璃子「本当にごめんなさい。」
春輝 「あなたのせいじゃないです。……また、電話してもいいですか?」
 
真璃子は一呼吸置き、「だめです。」と答える。「美咲のいないときに、電話、かけてこないでください。」と言って、電話を切る。春輝はなにも言い返せない。
 
(荻野倉庫・事務所)
完治「おはようございます。」
 
奥山敦子(三浦真椰)「ああ、瀧沢さん。もう治ったんですか?」
木内祐輔(笠松将)「だいじょぶなんですか?」
 
完治「ええ、ほら、もうすっかり!ハッハッハ、ご心配おかけしました。」と陽気に手足を動かして見せるが、川本と目があい、真顔に戻る。
 
川本保(中川家礼二)「素人がノコノコ、倉庫にくるからや。気ぃつけてくださいよ。それより今週はウチでは、経費削減が…」
完治「課長!それより、この資料見てください。
 
企画書には「倉庫ビジネスから空間活用ビジネスへの変換『想い出ボックス』」とある。
 
川本「なんすか、これは。」
完治「実は、離婚した知人に、別れた家族のホームビデオや写真を預かってほしいって頼まれたんです。彼女にみつかるのはマズイけど、捨てられないから、って。それでひらめいたんです。例えば想い出ボックスと銘打って、捨てられない想い出を預かるサービスをしてみたらどうかって。」
川本「はあ?」
完治「他にも、ほら、遺品整理とか、家に置く余裕はないけど、捨てられない。そういう想い出を整理して預かる。そういった需要って結構あると思うんですよ。」
川本「要らん要らん。そんなチマチマした仕事!それを一個一個集めても、ろくな売上にならんでしょ。」
完治「お客様ひとりひとりのニーズに答えて行けば、なんらかのビジネスチャンスはあるはずです。」
川本「あのね、営業のみんなも忙しいし、余計な仕事している余裕はないんです。だいたいね、注文が取れたとして、誰が整理するんですかそれを。」
完治「私がやります。」
川本「あなたが?ひとりでがんばる。…え?ひとりで?できるわけないでしょ。」
完治「いや、できます。」
川本「まあ、ええけど。じゃませんように。経費削減!経費削減!…経費削減!」
 
 
完治はホームページ作成の本や、パソコンに向かっている。
完治「ドメイン…ドメインか?」などとつぶやき、課のメンバーは怪訝そうに見つめる。
 
(結婚式場)
チラシを片手に営業にまわる完治。
「想い出ボックスというサービスをはじめておりまして、家に置けないような大切な思い出を…」
「ああ、このたびはおめでとうございます。想い出ボックス…」
 
(不動産店)
完治「このビラ、こちらに置かせていただけませんでしょうか。」
店員「社長に聞いてみないとちょっと…」
 
社長らしき男性が奥から出てきて、「ふーん、それって8ミリビデオとかも預かってもらえるの?」と興味ありそうに聞く。完治は「もちろんです!お預かりします!」
 
(荻野倉庫・食堂)
完治は栞の姿を見つけ、「A定食お願いします。」と声をかける。
小俣房江(山口美也子)「瀧沢さん、頭打って忘れちゃったの?定食は、そっちよ。」
完治「はい…。」と窓口を移動するが、栞はさいごまで目も合わせない。
 
(荻野倉庫・食堂ロッカールーム)
栞のスマホが鳴る。
 
完治《ちょっとお話がしたかったのですが、会社では無理ですよね。僕はこれから数日、残業になります》
 
(荻野倉庫・事務所)
残業する完治。
 
(荻野倉庫・倉庫)
荷物を前に作業する完治。
通りかかった栞は、完治を見つけ、車のかげから様子を見る。
 
木内「あれ、瀧沢さん、なにしてンスか。」
完治「家にある古いビデオを、預かってほしいっていうお客さんがいてね、ビデオをDVDに焼き直してあげようかと思って。あと写真もアルバムに入れて整理してあげようかと。あ、もちろん許可は得てますよ。」
木内「そんなことまで…。」
完治「こういう細かいサービスが突破口になればと思って。」
木内「この機械買うって、課長に断りました?」
完治「いえ。自分の判断で買いました。」
木内「…そうですか。あの、課長と話しているの聞いてたけど、悪いけど、俺は無理だと思うな。単価が安すぎるし、数が広がらない。」
完治「まあ、やってみますよ。やってみないと!」
 
前向きな完治を見守る栞。
 
(荻野倉庫・食堂ロッカールーム)
栞は、腰掛けてスマホを眺めるが、メッセージは送らず。
 
(荻野倉庫・倉庫前)
栞が通りかかると、ちょうど完治が出てきたところだった。
完治「あ、すみません。最近ゆっくり話すヒマがなくて。」
栞 「あ、なんか、私も忙しくて。母の法事とか、施設で借りていた部屋の掃除とか。」
完治「そうですよね、ごめんなさい。力になれてなくて。」
栞 「お忙しいんでしょ?毎晩、残業ですか。」
完治「いや、課長には余計なことするなって言われているんですけどね。」
栞 「大丈夫ですか?いえ、やらなくてもいいっていう仕事やって、かえって孤立しちゃうんじゃないかって。」
完治「そのへんは大丈夫なんです。最初から孤立してますから。」
栞 「ええっ!?」と笑いあう。
完治「いえ、いいんです。好きでやってますから。」
栞 「好きで?」
完治「ええ、もし銀行にいたら、絶対にやらないし、思いつきもしないような地味で、無駄に思える仕事です。でも、この会社に来たおかげで、とても大切で、意味がある、ありがたい仕事に思えるようになったんです。」
栞 「じゃ、また。」
 
(栞の自宅・台所)
ネギを切っている手を止め、右手に痛みがあるように、手を振る。
完治の入院する時間外受付での出来事を思い出していた。
 
美咲「あの!一度、お会いしましたよね。」
栞は呼び止められたことに、戸惑いながら、振り返る。
美咲「父と付き合っていらっしゃるんですよね。」
美咲はまっすぐに栞を見つめ、続ける。
美咲「お願いがあるんです。父と別れてください。」
栞はなにも返せない。
 
(瀧沢家・キッチン)
春輝の母・日野冴(麻生祐未)と電話で話している真璃子。
 
冴  「次はお結納ね、真璃子さん。」
真璃子「はい。」
冴  「再来週の土曜日が大安吉日なの。少し急だけれど、どうかしら。」
真璃子「はい。」
冴  「あとのことはよろしく頼みます。」
 
真璃子が「かしこまりました」と言い終えるか、終えないかのうちに、ガチャンと受話器を乱暴に置く音がする。
 
 
またパンをこねる真璃子。
 
スマホが鳴る、見ると美咲からのメッセージだ。
 
美咲《今日、残業で遅くなるから、ごはん作らなくていいよ》
 
春輝『美咲ちゃん、他に好きな人がいるんじゃないかな。』
 
春輝『僕が好きなのは、真璃子さんです。』
 
われに返ったように、「だめだ、なにかしてなきゃ。」と一心不乱にパンをこね、焼き、こね、焼き…。
 
 
5~6種類、山盛りで6皿分も焼きあがった。
 
ちょうど帰ってきていた完治が「ずいぶん焼いたな。」と声をかける。
 
真璃子「おかえりなさい。」
完治 「あ、風呂沸いてない…。」
真璃子「あ、ごめんなさい。うっかりしてた。」
完治 「いい、いい。シャワーでいいや。…ビール冷えてたっけ?ああーきっつ。」
 
などと、ビールを開ける音。
 
真璃子「このところ、遅いのね。毎晩。」
完治 「今、ウチの会社、大変でさ。毎日俺なりに、格闘してるんだけどさ。」
真璃子「ウチの会社、ねぇ。」
完治 「ん?」
真璃子「やっぱりあなた、仕事が好きなのね。出向してすぐは落ち込んでたけど、今はすごく生き生きしてる。仕事してるほうが、あなたは落ち着くのよ。」
完治 「そうかぁ?」
真璃子「そうよ。よかったわねぇ。仕事がおもしろくなってきて。あー、私もビール飲もうっと。」
 
(荻野倉庫・事務所)
完治があくびをする様子を見て、木内が小声で「昨日、何時までやってたんすか?」と聞く。完治は「まぁ…」とごまかそうとするが、奥でお茶を入れてた奥田が「え、なに、瀧沢さん残業してたんですか?」と聞いた声が響いた。
 
川本「悪いけど、残業代出ませんよ?いくらやっても。」
完治「承知してます。私が勝手にやってることですから。経費削減中ですもんね。」
川本「わかってるなら、いいです。」
 
奥田「これね、すっごく高いコーヒーなの。200g、2,400円!お客様用のとっておき。」と完治にマグカップを差し出す。
川本「おい!経費削減や!」
奥田「いいじゃないですか!たまには!…これ飲んで、元気出して。」
完治「ありがとうございます。」
 
(荻野倉庫・作業室)
完治はDVDをセットして、装置を操作している。
 
(荻野倉庫・倉庫)
台車で荷物を運ぶ完治。
新しい小さめの棚4つのうち、1つがやっと埋まったところ。
 
(瀧沢家)
美咲 「ただいまー。」
真璃子「おかえり!早かったのね。」
美咲 「うん。出先から直近。」
真璃子「ね、美咲。結納にあなたが着ていく着物、これでいい?」
美咲 「ん、いいんじゃない?」
 
自分の結婚に、あまり興味なさそうな美咲を見て思い出す。
 
春輝『他に好きな人がいるって。でもその人とは一緒になれない。だから僕と結婚するんだって。』
 
真璃子「ね、結納のことなんだけど。」
美咲 「ん。」
真璃子「本当にいいの?お断りするなら、これが最後のチャンスだから。そう言ってちょうだい。」
美咲 「どういう意味?」
真璃子「好きな人がいるんでしょ?春輝さん以外に。」
美咲 「なんでそんなこと。……なんでお母さん知ってるの?」
真璃子「それはいいから。今もその人のこと好きなの?それなら…」
美咲 「もう終わった。……私は春輝と結婚する。」
真璃子「あのね、美咲。条件がいいとか、周りから喜ばれるとか、そんなことより大事なことがあるの、結婚には。あなたの気持ちよ。あなたの正直な気持ち。」
 
美咲 「じゃ、お母さんは、自分に正直に生きてる?お父さんと正直に向き合ってる?」
真璃子「それは…」
美咲 「お父さんとお母さん見てると、私イライラするの。結婚ってこんなものかなって気持ちが萎えるの。そんなこと言うなら、がんばって理想の夫婦、私に見せてよ。お父さんが浮気してるの知ってるんだよね、お母さん。なんでお父さんをつなぎとめる努力しないの?ジタバタしないの?お母さんてさ、お父さんのこと、本当に好きなの?お母さんは、いつも流れに身を任せてるだけ。そんなんじゃさ、お父さんだってもの足りないよ?ええかっこしいするのやめてさ、修羅場とかもっとちゃんとやりなよ!」
 
美咲は席を立つ。
 
真璃子「なんで。そんなこと言うの?お父さんとお母さんが喧嘩して、あなたの前で罵り合えばいいの?お腹の中の醜いもの出しちゃったら、夫婦なんて壊れてしまうことだってあるのよ。お母さんだって辛いの。ずーっと我慢してきたの。お父さんと美咲と家族でいたいから。美咲のあなたのためを思って…」
 
美咲 「そんなのいいわけじゃん!私のためとか言うの、ズルいよ。」
真璃子「そうね、ごめんね。」
 
美咲は二階へ上がる。
 
(瀧沢家・美咲の部屋)
美咲はベッドにもたれるように座り込み、スマホの写真を見ている。
 
戸浪恭介(高田純次)がいねむりする横で、自撮りでツーショットの写真。
 
※その他の写真3枚は自撮りではない美咲のワンショットばかり。戸浪は一緒に写ることを避け、撮ってあげるだけなのかも。
 
(荻野倉庫)
川本は作業室から出てきて「なんや、あの機械は!」と事務所の完治に言う。
 
川本「なんで買うたんや。経費削減ってあれほど言うてるでしょ。あれ一台で水の泡や。」
完治「必要だから買いました。経費削減って言っても限界がありますし、その場しのぎでしかありません。私たちは新しい設備に、お客を取られているんです。値下げしたところで、お客は帰って来ません。この会社の未来を救う、新しいビジネスモデルを考えないと!」
川本「じゃあ、利益はどれくらい上がってるんですか。」
完治「8万程度です…」
川本「ふん。話しになれへんがな。よう、こんなんで会社の未来を救うとか言えますね。今つぶれたら、未来もクソもないわっ!」
 
思いつめたように、完治は「このクビをかけます。」
川本はさすがに驚き、振り向く。完治は立ち上がり、「私がここの部長です。責任は私が取ります。」と言う。
川本「あんたのクビになんの価値もないわ。しょうもない銀行員のプライドに縛られてる、あんた。だからあかんねや。え?もうな、あんたの自己マンに付きおうとるヒマなんかないんや!」
 
(荻野倉庫・倉庫)
配送者から荷物を受け取る完治。台車で運ぶ。
 
栞は車の影から見守りながら、思い出す。
 
美咲『父とは別れてください。私、結婚するんです。…結婚式で、父と母に感謝のことばを言いたいんです。心から。母と並んで立ってる父に、父の目をみて、ありがとうって言いたいんです。』
 
(荻野倉庫・事務所)
完治はひとり残って、荷物を整え、運ぶ。
 
完治「栞さん…え?」
栞 「差し入れ、持ってきました。」
完治「え?」
栞 「今日、お手伝いさせてもらっても、いいですか?お役に立たないかもしれないけど。」
完治「あ…え、あ、ありがとうございます。」
栞 「あの…。」
完治「あ、あっちで!」
栞 「はい。」
 
完治「これ、タヤマさんのボックスにお願いします。」
栞 「はい。」
ファイルをボックスに入れ戻ると、完治はパソコンでお客様の写真を整理している。
栞 「わー運動会ですね。そういう写真、どの家にもありますよね。」
完治「ウチは少ないほうかもしれないなぁ。働きづめだったんで、あんまり娘の運動会、行けなかったんですよ。」
栞 「そうですか。」
 
完治「妻が撮った徒競走のビデオとか、あとで時間があるとき、見るくらいで。それで、よくやったなーってほめてやっても、娘のほうはもうそん時の興奮さめてるから、はあ?みたいな感じ。あまりいい父親じゃなかったな。ま、そう考えると、ウチは想い出ボックス少ないな。ま、僕のせいなんですけど。」
 
完治を見つめながら、静かに聞く栞。
 
(瀧沢家・キッチン)
真璃子がまた大量のパンを焼いている。
 
美咲『なんでお父さんをつなぎとめる努力しないの?ジタバタしないの?お父さんのこと、本当に好きなの?』
 
パンを小分けにする真璃子。
 
(荻野倉庫・事務所)
二人で箱詰めしながら
 
栞 「これ、素敵なサービスですねー」
完治「僕もそう思うんですよ。でも、なかなか苦戦してて。」
栞 「でもー使いたい人って、たくさんいそうだから。ああ、携帯とかで、もっと気軽に申し込めたら、いいですよね。」
完治「あ、そうか。携帯か、なるほど。」
 
荷物を運ぼうとする栞、数歩進み……
首を軽く振り歩き出すと、足元をひっかけ、荷物を落としてしまう。
※6話と同じ。めまい?突発性難聴?
 
完治「大丈夫ですか?大丈夫ですか?」
栞 「すみません…。」
完治「ああ、はい、いえいえ。」と代わりに荷物を台車に運ぶ。
※客の荷物だぞ。中の心配しろ。
 
(荻野倉庫・倉庫)
二人で並んで、台車で荷物を運ぶ。
 
栞 「わー、きれいな月。」
完治「ほんとだ。」
栞 「スイスでも見ましたね、こんな月。なつかしー、あれからまだ半年にもならないのに。ああ、ちょっと見てもいいですか?こんなきれいな月…、瀧沢さんと、次いつ見れるかわからないし。」
 
と完治を誘う。完治は倉庫搬入口に並んで立ち、
 
美咲『お父さんもあの人と別れて。』
 
ということばをふと思い出し、栞の横顔を見つめる。
 
(荻野倉庫・入り口)
真璃子が来る。
 
完治と女性が倉庫の搬入口に腰掛け、「鮭おいしいです」等とおにぎりを一緒に食べている。
 
建物のかげからから、真璃子は二人の様子を見て、声をかけずに引き返す。
 
※おそらく美咲に「あがいてみろ」と言われ、さっき小分けにしたパンを、差し入れに持ってきたと思われる。
 
(外)
川本『あんたのクビになんの価値もないわ。しょうもない銀行員のプライドに縛られてる、あんた。だからあかんねや。』
 
完治「よし、元銀行員のプライド、見せてやる。」と意気込み、大股で歩く。
 
(HICOA社・会議室)
土下座をする完治。 ←元銀行員のプライド?
 
社長・大野剣(ヒャダイン)「なにこれ、やっべえぇ。ぜんぜんダメじゃん。絶望的にセンス感じないわ。」
 
完治がつくった、想い出ボックスのホームページを見ている大野。
 
完治「どうやったら?」
大野「あのさーセンスない人間に、手取り足取り教えても、時間の無駄!」と席を立ち「第一、俺になんーのメリットもない。」
完治「あああー、ちょっと待ってください、大野さん!」と必死に制止する。
 
大野「あのさー教えるより、ウチで作ったほうが早くない?」
完治「え?」
大野「小さな倉庫会社が、ひとつのアイディアで他社を出し抜く。好きなんだよね、そういうストーリー。おもしろいじゃん!」
完治「あ、でもウチ、カネないです。」
大野「だいじょぶだいじょぶ!ウチでなんとかするから、サ。あんたみたいにカネがないとこ、どんどんクチコミで話題にしないと!」
完治「ありがとうございます!」
大野「がんばって行こうゼーー!」と、久々のグータッチからのハイタッチ。
 
(荻野倉庫・倉庫)
「想い出ボックス」の新しいサイトやロゴ入り段ボールなどができている。
「お客様の声」ページには「断捨離ができない私にぴったりのサービス!もっと早く出会いたかった。」「昔のアルバムを預けたら、写真をスキャンしてデータにしてくれました。」など、多数掲載されている。
 
箱詰め作業を行う完治。
 
(荻野倉庫・事務所)
ビデオテープをデータ化するなど、大忙しの完治。
 
まとめサイトにも、口コミで話題になっていると記事が載っていて、コメント欄にも「利用してみたい」などの評判が多数書かれている。
 
完治「ほんとに、ありがとうございます。」とスマホを片手にお辞儀をする。電話を切り、スマホを操作すると、「想い出ボックス」のアプリができた。
 
 
「おはようございます。」席に着くなりパソコン操作する完治。発注件数のグラフを確認。
 
完治「やった……やりました!想い出ボックスの注文が、昨日1日で100件を超えました…」
 
立ち上がって、メンバーに向かって言う。
 
木内「おおー。」
奥山「どうして、急に?」
完治「アプリを作ったことで、使いやすくなったと携帯とかのSNSでクチコミが広がったんだと思います。」
 
女性社員が自席のパソコンで検索しはじめる。「ニュースにもなってます!ほら!」メンバー一同喜ぶ。
 
完治「私ひとりでは対処しきれません。みなさんの、お力をお借りしたいんですが、お願いできますか。」
 
課長の川本を見るメンバー。
 
完治「課長。」
川本は返事をしないが、奥山が「手伝います」と立ち上がる。
完治「ありがとう。奥山さん」
 
木内「僕も手伝います。」
女性社員二人も「私も!」「私も!」と続く。
 
木内「課長。」
川本「あ?…あん。」
完治「ありがとうございます!」「みなさん、よろしくお願いします。」と笑顔で頭を下げる。
 
(荻野倉庫・倉庫)
女性社員「瀧沢さん、写真!」
完治「えーっと、写真はね…こちらに。アルバム…」
 
和気あいあいと課のメンバーと作業をする完治。
栞が遠くから見守り、微笑む。
 
(外)
海ぞい。夕暮れをひとり歩く栞。
 
(日野家・寝室)
冴 「悪かったわね、代わりに聞いて来てもらって。…どうだった?」
春輝「……再発だった。」
冴 「そう…。そんな顔しないで、ギリギリあなたの結婚に間に合ったのよ。私ついてるわ。」
 
(瀧沢家)
またパンを焼いたのか、3皿もテーブルの上に並べている。
真璃子がお茶を飲んでいると、完治からメッセージ。
 
完治《今日も、残業で遅くなります》
 
完治と女性が倉庫の搬入口に腰掛け、おにぎりを一緒に食べている。
 
間を置かず、今度は春輝から電話。
一瞬ためらうが、電話に出る真璃子。
 
真璃子「はい。」
春輝 「今、お宅の近くに来ています。美咲ちゃんを送ってきました。寄ってもいいですか。」
真璃子「ちょうどよかった、パンを作りすぎちゃったの。よかったら、お土産に持って帰ってくれる?」
 
(瀧沢家・門前)
春輝 「こんばんわ。」
真璃子「こんばんわ。」とパンが入った紙袋を手渡す。「美咲は?」
 
構わず続ける、春輝。
 
春輝 「真璃子さんが作ったんですか?おいしそーだな、いい匂いだ。」
真璃子「いちお、焼き立てだから。美咲…どこ。」
春輝 「これせっかくだから、すぐに食べたいな。」
 
(外)
ベンチに二人で座っている。
 
春輝 「ごめんなさい。美咲ちゃんといるって嘘ついて。」
真璃子「そうね、まんまと騙された。」 ※嘘だろ
春輝は、ロールパンを一口食べ「ん!おいしーですね、このパン。」
真璃子「ありがと。私のパンをそんなに喜んでくれるのは、あなたくらいよ。」
春輝 「こんなにおいしいのに。」
真璃子「たぶん、当たり前だからでしょう。主婦が家族のためにパンを焼くのは。」
春輝 「ぜんっぜん、当たり前じゃないですよ。家族を愛しているから、パンを焼くんですよね。」
 
真璃子もパンを手に持っていたが、食べるのをやめ、続ける。
 
真璃子「夫にね、好きな人がいるみたいなのよ。」
春輝 「落ち着いてるんですね。」
真璃子「そうね、落ち着いてる。この前、夫とその人が一緒にいるところを、初めて見た。足が一歩も前に行かなかった。結婚して、25年になるの。その間に、こうやってあの人は、ちょっとずつちょっとずつ、私から遠くなってったんだなーって。 どうすれば、そうならずにすんだか、わからない。あの人だけが悪いんじゃない。たぶん…私も悪いのよね。」
 
立ち上がって、夜景を眺め、「きれいね、あの観覧車。」
 
春輝 「乗ってみますか?」
真璃子「観覧車に?」
春輝 「観覧車がいやなら、コーヒーカップでもいいですよ。メリーゴーランドでも。それから、ジェットコースターに乗って、うわーー!って、思い切り絶叫してみませんか。」
 
(遊園地)
ジェットコースター。
観覧車。春輝「あ、ちょっと、真璃子さん、あそこみてください。きれいです。」
手こぎトロッコ。真璃子「もう無理…。」春輝「うそでしょう。」
コーヒーカップ ※なにこれ。草演出
 
(瀧沢家・門前)
春輝 「おやすみなさい。」
真璃子「おやすみ。」
 
車に乗り込もうとする春輝を引きとめて、真璃子は「春輝君、ありがと。」とだけ言い、先に玄関に入る。
 
切ない顔で見送る春輝。
 
(瀧沢家)
結納前夜。食卓で食事を取る完治に、お茶を差し出して、自分も座る真璃子。
 
完治 「いよいよ結納か。」
真璃子「そうなのよね。あれよあれよという間に。」
 
様子を伺っていた美咲が、降りてきて、「お父さん。お母さん。よろしくお願いします。」と頭を下げる。
 
(瀧沢家近くの橋)
完治が橋の上で、美咲が通るのを待っている。
 
完治「美咲…。」
美咲「わかってる。先生のことでしょう?先生ね、もうロンドンの大学行っちゃうの。客員教授で。だからもう会いたくても会えない。ちょうどいいよね。これで心置きなく、前へ進める。で?お父さんは?あの人と別れたの?…まだ別れてないんだ。」
完治「いつかはきちんとする。」
美咲「いつか、って?」
完治「彼女は今、お母さんを亡くして、すごく参ってる。だから、もう少し待ってほしい。」
 
(日野家・和室)
春輝「日野家からの結納の品でございます。幾久しくお納めください。」
完治「結納品でございます。幾久しくお納めください。」
春輝「ありがとうございます。幾久しくお受けいたします。」
 
(瀧沢家・食卓)
真璃子「サラダ食べて。」
美咲 「んん、要らない要らない。」
完治 「あ、行ってくる。」立ち上がる真璃子を制止して、「ああ、大丈夫大丈夫。いってきます。」
真璃子「いってらっしゃい。」
 
美咲 「お父さん、今日もまた残業かな。」
真璃子「そうかもね。」
 
美咲は、空いた完治の席を見つめる。
 
真璃子「美咲は?まだ行かなくていいの?」
美咲 「私は今日、会社休んだ。午後から買い物に行く。」
真璃子「そう。お式のものもそろそろ揃えないといけないわね。…いってらっしゃい。」
 
(荻野倉庫・屋上)
夜、ひとりでタバコを吸う、川本。事務所に目をやると、完治がみなに指示を出して、メンバーも活き活きと働いている。
 
(荻野倉庫・倉庫)
あのガランとしていた、4つの棚が、ビッチリと「想い出ボックス」で埋まっている。
完治が最後の箱を収めた。
 
木内「やっと終わったー」
奥山「永遠に終わらないと思ったけどねー。」
完治「いや、しっかし、みんなでやると早く終わりますねー!」
木内「ほんとだ。まだこんな時間じゃないッスか。一杯行きませんか?みんなで」
奥山・女性社員らが喜ぶ。
完治「あー、すいません。今夜はちょっと…。今度、また!必ず!」
 
奥山「えー。」、木内「つれないなー。」とガッカリする一同。
 
完治「どうしても、お礼を言いたい人がいまして。」
 
(栞の自宅の近く)
完治は栞の家に向かう。 ※おまえが今お礼言うのは大野社長だろ。
 
(栞の自宅)
インターフォンを鳴らす完治。
 
玄関から出てきたのは、栞の同僚・小俣房江だった。
 
完治「え…。」と一、二歩後ずさりして驚く。
房江「こんばんわ。」
完治「あの…。」
房江「栞ちゃんなら、いないよ。」
完治「え?あのー…」
房江「あなたにもう、会いたくないって。別れたいって。」
 
(栞の自宅の近く)
来た時といっぺんして、空には雷が光る。
 
昼、ほほえんで、完治をみつめる栞。
 
二人で満月をみながら、ほほえみあった時の栞。
 
肩を落としてあるく完治。
 
(瀧沢家)
完治が帰宅すると、玄関も室内が暗い。
 
「ただいま」と部屋に入ると、食卓の上だけ灯りが点き、真璃子がひとり黙って座っている。
 
完治 「どうした?」
真璃子「美咲がいなくなった。」
完治「なんだって?」 美咲からの置手紙を、完治も手に取る。
 
美咲《ごめんなさい。私、やっぱり結婚できません。先生とロンドンに行きます。》
 
(完)
 

第7話:まとめと、言いたい放題ドラマ評

(まとめ)
  • 見舞いにきた岡田からの相談を、個人客獲得の企画として、見切り発車する蔵之介。社員やヒャダインに、カネも払わず働かせ、軌道にのせつつある。
  • 岡田は、八木亜希子と付き合っているらしい。
  • 黒木は体調悪そうだし、ものかげから見守るだけだし、陰気くさい。
  • 中山は蔵之介の浮気で、パン作りばかりして被害者ぶってるけど、藤井流星のことばかり考えている。
  • 流星との遊園地デートは、最終的に異次元へ逝ってしまわれる演出。なにあれ笑うところ?
  • 石川恋は結納まで済ますのに、高田純次と逃避行。だったら、中山に断るなら最後と言われたときに、断ればいいのに。めんどくさい娘。
 
(言いたい放題ドラマ評)
前話に、中山のセリフに「なんでも話し合える友だち親子だと思ってたけど、そう思ってたのは私だけみたい。」というのがありましたけど。最初から、娘への依存率が高い、気持ち悪いパン焼きママだと思ってたけど、思った通りの展開。
 
「想い出ボックス」。荷物をボックスで預かってもらう。これはいい。でもさ、写真スキャンしたり、ビデオをDVD化したり。工数的に絶対無理だからこのサービス。ヒャダインが爆笑してた超絶ダサいホームページも、まじで、25年前くらいに作ったようなダサさで笑いました。
 
ダサいと言えば、中山と流星の遊園地デート。さいごのコーヒーカップは笑いました。笑いました。なにあれ。周りは目に入らず二人の世界(はーと)ってことですか?なんかもっとあっただろ。表現方法がさ。先週までに流星からキスして、流星から告白してんだから、中山から手ぇつないで中山からキスくらいしろ。
 
黒木の不調はなんなんですかねー。ね。おわり。
 

次回

www.mmiimmoo.net