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【黄昏流星群】第5話:まるっと文字起こし

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黄昏流星群〜人生折り返し、恋をした〜 【第5話】

黄昏流星群

黄昏流星群 - フジテレビ

(ホテル)
瀧沢完治(佐々木蔵之介)はエレベーター内で、娘・美咲(石川恋)と鉢合わせする。
完治は、目黒栞(黒木瞳)と、美咲も男性と一緒だ。
 
先にエレベータを降りた、完治は振り返り、美咲を見る。
エレベーターの奥から美咲は、完治を直視して、ドアが閉まるまで目を逸らさない。
 
軽く戸惑う栞に、完治は「行きましょうか。」と声をかける。
 
完治は部屋の鍵を開け、ドアを開き、栞を招き入れる。
(ホテル・室内)
完治は荷物を置くないなや、栞にキスをする。
 
栞はその場にバッグを落とす。
完治は栞のコートを脱がし、自分のコート・上着を脱ぎ、ベッドへ放り投げる。
二人は抱き合い、さらにキス。
黒木の細さ!蔵之介の身長が高いのもあるが、華奢な黒木を包み込むような、バランスのよさです。
 
そのまま抱えるようにベッドへ、栞を押し倒し、完治が覆いかぶさり、栞が目を閉じる。が、キスの直前で、完治の脳裏によみがえる。
 
エレベーターの奥から美咲は、完治を直視する。
 
キスできずに、ゴロンと栞の横に寝転がる完治。「すみません…」
栞は起き上がり、完治は「すみません、ちょっと……いろいろ考えるところがあって、今は……」とつぶやく。
 
栞は勘違いしたのか、「無理しないでください。…んと」と言いながら、ゆっくり完治のほうを向きながら、ベッドに横たわり「このままで…」と言う。横たわる二人の間には距離がある。
 
(瀧沢家・玄関)
灯りが点いていない暗い玄関を開け、瀧沢真璃子(中山美穂)が帰宅。
 
真璃子「ただいまー」
(瀧沢家・リビング)
美咲の部屋の二階を見ながら、「美咲ぃー、まだ、帰ってないの?」と声をかけるが返事はない。
 
キッチンで手を洗いながら、思い返す。
 
日野春輝(藤井流星)『美咲ちゃん、他に好きな人がいるんじゃないかな。』
 
洗面所の鏡で、首筋のキスマークを見て、満足そうにする美咲。
 
軽く首を振りながら、「まさかね…」とつぶやく真璃子。
 
(日野家)
春輝が帰宅。階段を上がり、母・日野冴(麻生祐未)の寝室へ。
 
春輝「ただいま。」
冴 「おかえり。」
春輝「どう?調子は。」
冴 「まあまあよ。」と答えながら、ベッドに入ったまま起き上がり、「楽しかった?美咲さんとデート。」
春輝「うん、楽しかったよ。」と、ベッドに腰掛ける。
 
冴 「お母さんも、また、春輝とでかけたいわぁ。外でおいしいもの食べたり、映画見たり…」
春輝「また行こうよ。」
冴 「でも、来週の鬼怒川も、この分じゃ行けそうにないし…。」
春輝「じゃ、今年はキャンセルして、また来年行けばいいよ。」
冴 「そうだ、あなた!美咲さんと行ってらっしゃいよ。お母さんの代わりに…ね?そうして?」
 
春輝は複雑そうな表情を見せるが、冴に押し切られ、軽くうなづく。
 
(瀧沢家・洗面所)
完治が歯磨きを終えたところに、美咲が「どいて。」と入ってくる。
 
「美咲…昨日の…」と声をかける完治を遮り、小声で「いいかげんにして。お母さんに聞かれたくないでしょう。」と歯磨きをはじめる美咲。「……わかった。」と完治はしぶしぶ出て行く。
 
(瀧沢家近くの橋)
完治は家の方向を見ながら、美咲を待つ。
 
美咲は完治を無視して通り過ぎるが、完治は追いかけ問い詰める。
完治「どういうことなんだ。…いくつなんだ、あの男。」
無視する美咲。
完治「不倫なのか?」と聞くと、急に「お父さんもでしょう。」とムキになり立ち止まる美咲。
 
美咲「ね、やめない?お互い追求するの。いろいろ知ったからって、いいことないし。私は春輝と結婚する。けじめはつける。それでいいでしょう。」と言い捨て、また歩きはじめる。
完治「結婚って、おまえ、どういう考えでそういうこと言って……」
美咲「結婚と恋愛は別。誰でも知ってることじゃない。とにかく、私もお母さんに言わないから、お父さんも黙ってて。」と完治を置いて、走り去る。
 
(荻野倉庫・事務所)
出社し、自席に座るなり、大きなため息をつく完治。
 
はす向かいの女性社員・奥山敦子(三浦真椰)に「来てそうそう、また、なにか引っかかってます?」と声をかけられ、「違います、すいません。」とたじたじ。
(荻野倉庫・食堂)
食堂スタッフ4人が、食堂側でお昼を取る中、栞は調理場で作業をしている。
 
(荻野倉庫の最寄駅)
人を待つ完治。栞が来る。完治がいることに戸惑う栞。
 
軽く会釈をしながら、並んでエスカレーターに乗る。
 
完治「昨日はすみませんでした。」
栞 「そんな……。」
完治「あんなことになってしまって。」
栞 「いえ違うんです、私が悪いんです。」
完治「違います。全然違います。…次の機会があればと思っています。」
栞 「無理しないでください。」
完治「無理とかそういうような…」
栞 「私も、無理してたんです。なんか…緊張が伝わったんじゃないかって…」
完治「いや…」
栞 「瀧沢さん、無理するのはやめましょう。こうやって、時々一緒にいられるだけで、楽しいですから。」
 
旅行会社のスイス旅行の看板を見ながら
 
栞 「それより、山に連れて行ってください、来週!……リベンジです。」と笑う。
完治「そうですよね、山はいいですよね。」と気持ちを切り替え、笑顔になる。
 
「行きましょう!」と完治。「約束ですよ?」「約束です!リベンジですっ!」と笑い合う。
 
(瀧沢家・リビングダイニング)
完治 「温泉旅行?」
美咲 「春輝が毎年、お母さんと行ってる旅館なんだって。今年はお母さんが都合で行けないから、代わりに私たちで行ってらっしゃいって。」
真璃子「それなら、あなたたち二人で行って来たら?」
完治 「ああ、いやいやいや…そりゃまずいだろう。仮に結婚前なんだし、いくら向こうの親が承知してるからって。」
完治 「春輝もそう言うの。だから、お母さん、お父さんも一緒に、私たちでどうかって。」
真璃子「そうね。」
美咲 「結婚前に、いい想い出になるんじゃないかって。」
真璃子「やさしいのね、春輝さん。」
完治 「しかし、来週は…」
美咲 「仕事とかって言わないでよ、お父さん。土日に出勤なんて、もうないでしょう。」
 
(瀧沢家近くの歩道)
完治が栞に電話。
 
完治「すいません。やっぱり来週…」
(栞の自宅)
栞 「ダメですか?」
完治「出張……いや、いえ、家の用事で…」
栞 「…ご旅行とか?」
完治「はい。すいません…」
栞 「いえ、お気になさらないでください…ご家族と…楽しんでくださいね。」
完治「すみません…。」
栞 「いいえ…、じゃぁ」
 
電話を切る栞。
 
ひとりで夕食を取る栞。
 
(乗用車内)
※日産車(NOTE?旧車種?)品川の「わ」ナンバーなので、都内からレンタカーの設定と思われる。
運転席に春輝、助手席に美咲。春輝の後ろが完治で、美咲の後ろが真璃子。
 
美咲「はい!」
春輝「自分でやるよ。」
美咲「いいよ、飲ませてあげる。」
春輝「ありがと。おいしい。」
美咲「でしょう?私のお手製だもーん。あ、ね、飴は?「
春輝「今はいい。」
美咲「コーラとレモンとオレンジ、どれがいい?」
春輝「いい、いいって。」
美咲「じゃあ、オレンジ。あーん。」
春輝「ありがと。」
美咲「じゃ、私はレモン食べよー。」
 
いちゃつく二人に、うんざり顔の完治。
(鬼怒楯岩大吊橋)
「ちょちょちょっ、ちょっと待って!」と美咲の肩を支えに歩き、腰が引けている春輝に、美咲「ビビりすぎだよー。」とにこやかな様子。
 
真璃子は欄干から、渓谷の底を見る余裕あり。
完治は一番最後、景色や家族に目もくれず、橋のド真ん中を、春輝より及び腰でそろりそろり歩く。
(鬼怒川温泉駅)
美咲「はいチーズ。」春輝と二人で鬼の像をバックに自撮り。
 
美咲「ねえSL!」と呼びかけると、春輝「わ、すごーい。」と二人で走る。
ほほえましく見つめる真璃子。
(鬼怒川温泉ふれあい橋)
真璃子「いい景色ねぇ。」
美咲 「ね!気持ちいいねー。」
 
春輝が「ご家族の写真、撮りましょうか。」と、完治に話しかけるが「あ、俺はいい。(から、二人を撮ってあげて)」と素っ気ないそぶり。美咲は、父に顔を寄せ「ちょっとは楽しそうにして。彼に気を遣って、って言ってるの。」と腕をつかみ、完治を連れて行く。
 
春輝「行きますよ!…あ、笑ってください。行きますよー、ハイ、おんせん!」
 
春輝の掛け声に、思わず顔がゆるむ完治。
(ホテル・大広間)
食事中の4人。春輝の右隣に、美咲。春輝の前に完治、美咲の前が真璃子。
 
春輝 「お疲れですか。」と向かいの完治に声をかける。
完治 「え?」
春輝 「なんとなく、ね。」と美咲に同意を求めるが、無反応の美咲。
真璃子「ウチはいつも、こんな感じだから。気にしないで。」
 
美咲 「ん、そういえば、私が中学生くらいの頃、家族旅行した時さ、お父さんがホテルのレストランでいきなり経済新聞読み始めたことがあったよね。ほんと、子供心に、どんな親よってつっこみたくなったわぁ。」
完治 「そんなことあったか?」
真璃子「あったかもしれないわね。」
完治 「ちょうど、リーマンショックくらいの頃だろう。仕事のことが頭から離れなかったんだよ。」
春輝 「わかります。僕も深刻な案件抱えている時には、それで頭がいっぱいになることもありますし。最近お仕事変わられて、ストレスも多いんですよね。この機会に、ゆっくり休まれてください。」
 
春輝の気遣いに、完治は複雑そうに「ありがとう」とだけ言う。
 
スマホのベルが鳴る。美咲がスマホを見て、「ちょっとごめん」と部屋を出る。
 
ホテルスタッフ「デザート、お持ちしてよろしいですか。」
真璃子「はい。…いいわよね。」と完治に声をかけると、「ああ。…悪い、トイレ行ってくる。」と完治も席を立つ。
 
春輝と二人きりになり、戸惑う真璃子。
(ホテル・ロビー)
美咲は電話している。「はい、大丈夫で。明日は一人になる時間取れるので。」
 
完治が足を止めるが、美咲は完治に気づいていない。
「はい。先生もお気をつけて。」と電話を切る。
 
完治「先生って誰だ。」
美咲から笑顔が消える。
完治「あの男か。」
美咲「どうでもいいでしょう。」
完治「よくないだろう。おまえ、こんなところまで来て、なにやってるんだ。だいたい春輝君のことはどう思ってるんだ?愛してもいないのに結婚するなんて、相手に対しても失礼なんじゃないか。」と美咲の腕をつかみ言う。
 
美咲「恋愛して結婚しても、なし崩し的に愛がしぼんじゃうこともあるでしょう。だったら最初から、条件のいい間違いがなさそうな人を選んで、結婚して、何が悪いの。お父さん、浮気なんてしてるヒマがあったら、お母さんにもっとやさしくしてあげて。」
 
完治はなにも言い返せない。
(ホテル・大広間)
真璃子「二人とも、遅いわね。」
春輝 「そうですね。」
真璃子「でも、今日はちょっと、安心した。」
春輝 「安心?」
真璃子「仲よさそうだから。あなたと美咲が。美咲に好きな人がいるかもしれないって言ってたじゃない?勘違いよ、きっと。」とひとりで軽くうなづく。
春輝 「僕も、ちょっと安心しました。」
真璃子「そう?」
春輝 「やっぱり、仲の良いご家族だなぁって。お父さまも、美咲ちゃんのことがかわいくて仕方ないんだなーって。見ててわかります。」
真璃子「そうね、そうかもね。」
 
ホテルスタッフ「デザート、お持ちいたしましたぁ。」と入ってきて、春輝を見て「あらっ!お写真お撮りしましょうか?」と声かける。 ※なにごと?
 
真璃子は断るが、春輝は「お願いします!」とスマホを操作しながら、真璃子に「いいじゃないですか、たまにはこういうツーショットがあっても。」と言う。
 
真璃子の横に春輝が寄り添って座り、スタッフが「もう少し、お近づきになって。もう少し…」
真璃子は照れ、春輝はピースしてニッコリ。
 
(こはるの里・中庭)
栞は、車いすの母・目黒悦子(岩本多代)の横のベンチに腰かける。
悦子は、栞が完治からプレゼントされた、エーデルワイス柄の傘を気に入っている様子で、日傘のように差している。
 
暗い顔の栞を見て、悦子が「どうしたの?」と明るく声かける。
 
栞 「ん?」
悦子「さみしそう。」
栞 「私、好きな人がいるの。」
悦子「へえー!あははっ」
栞 「でもその人には家族がいて。…今頃、その人は家族と一緒なんだなーと思ったら…」
悦子「そう…。でも、いいじゃない?あなただって……」
栞 「私?」母がなにを言いだしたのかと意外そうに聞く。
 
「あなたには、私がいるじゃない!」と笑いながら「ね?」と言う母・悦子。
 
栞はやっと笑って「お母さん…。そうね。私にはお母さんがいるもんね。」と悦子に顔を寄せて、うれしそうに言う。
 
ボールが転がってくる。
栞は拾って、中庭でボール投げをしていた親子に返す。
 
振り返って悦子に「お母さん帰ろうっか。」と車いすのストッパーを外し、施設に向かう。入り口の手前で、悦子が差していた折り畳み傘が、前へ落ちる。栞は悦子の横にしゃがみ、ひざかけをかけ直し、折り畳み傘をバッグにしまう。
 
そこで母に異常に気づく。「お母さん」 ※この呼びかけ、無音にした演出がいい。
 
母は目を閉じて、応答しない。
「お母さん?お母さん?……お母さん!お母さんっ!」
最後は叫びながら、揺さぶるが反応がない。
 
(ホテル・客室)
真璃子は部屋にある、露天風呂を見ながら、「いいお部屋ね。」と完治に話しかける。
「そうだな、向こうも同じ造りなのかな。」「え?」「美咲の方も。この風呂に二人で入るのかな。」と完治は、「変な想像しないの。」と真璃子にたしなめられる。
 
真璃子「あの子たちは若くて、愛し合ってて、素敵なことが未来に、山ほど待ち受けてるの。邪魔しないで見守ってあげないとね。」
完治 「さみしくないのか。」
真璃子「そりゃ、さみしいわよ。一人娘が家からいなくなるんだから。…あの子のために、パンやケーキを作ったり、幼稚園のバザーで張り切ったり、おけいこ事について行ったり。あの子のため、あの子のためと思ってたけど、違うのよね。…あなたのいない家で、私、あの子を心の、拠り所にしてたのかもしれない。今までずっと。」
 
完治「真璃子…。」と気遣うように、近くに座る。「久しぶりに、一緒に入るか。風呂。」と真璃子の肩に手を置く完治。
 
真璃子「やめて。こんなとこ来たからって、段どりみたいにそういうことするのやめて。」とピシャリと完治の手を払い、立ち上がる。
 
完治「じゃ、先、風呂入ってて。俺、大浴場入ってくるから。」と茶羽織を手にするが、思い出したように真璃子に尋ねる。「あ、美咲は、今でも懇意にしてるとか、すごく世話になった先生とか居たっけ?」
 
真璃子「戸浪先生?大学の?…それがどうかした?」
完治 「いや、披露宴とか呼んだ方がいいのかなって。」
 
(こはるの里・母の個室)
医師「残念ながら、心臓が動いていません。死亡確認をしても、よろしいですか。」
うるんだ目で栞は堪えられずに茫然としている。
医師「17時23分、ご臨終です。」
(こはるの里・廊下)
施設スタッフ「間もなく、霊安室の方にお連れ致しますね。…葬儀屋さんなんですけど、この中から選んでいただけますか。」と数冊のパンフレットを手渡す。
栞「はい。」と力なく答える。「後でまた伺います。」
 
(ホテル・客室)
真璃子は部屋の露天風呂に入っている。客室でスマホが鳴り続けている。振り返り、気にする様子の真璃子。
(ホテル・ロビー)
インターネットスペースで、「城北女子大学 となみ教授」ネット検索をする完治。
戸浪恭介(高田純次)。人文社会学科・文化人類学の教授。
 
エレベーターで乗り合わせた、美咲の連れの男性を思い出す。「こいつだ。」
 プロフィールには、「1952年生まれの66歳」とある。
 
完治《俺より16も年上かい。》
 
思わず「ありえないだろう!」と大きなひとりごとを言ってしまい、隣の利用者に怪訝な顔で見られる。
(ホテル・客室)
風呂からあがった真璃子は、露天風呂側の障子を閉める。
 
完治のバッグで、またスマホが鳴る。
 
「目黒 栞」の表示。おもむろに電話に出る真璃子「もしもし。主人に用でしょうか。」
 
(こはるの里)
栞は女性の声にハッとしスマホを耳から一度離すが、「すみません、間違えました。」とたどたどしく言い、あわてて電話を切る。
 
(ホテル・客室)
聡美『それって、ほんとに仕事ー?浮気だったりして』
 
完治 『このところ、仕事が忙しくて』
真璃子『ほんとにそれだけ?』
 
完治 『すまなかった。スイスには一人で行った。』
 
楽しかった、よく晴れてたしと、山から、きれいな登山靴で帰宅した時の完治。
 
聡美『それは黒だね。どう考えても。』
 
次々脳裏によぎる真璃子。
(ホテル・客室外)
完治は、美咲の部屋の前で呼びかけるが誰の応答もない。部屋の鍵もかかっている。
(ホテル・廊下)
完治は、廊下のオープンスペースに腰掛けて、スマホを操作する美咲を見つける。
 
後ろから近づき、美咲からスマホを取り上げる完治。
 
美咲「なにぃ?」と不満そう。
完治「またあいつと話していたのか。」
美咲「あいつ、って?
完治「あいつはあいつだよ。俺よりも16も歳上で、成人した子どもが二人もいて。いい大人じゃないか。それがおまえみたいな若い子と、非常識だ。非常識だし、下劣だ。」
 
美咲「返して!」と、スマホを巡って、二人は立ち上がって揉み合う。
完治「別れるって言ったじゃないか!」
美咲「すぐには無理!そんなに簡単には別れられないの。」
完治「なんでだよ、ええ?おまえ、旅先まで四六時中電話しておかしいだろう。」
 
美咲「好きだから!」揉み合いをやめ、「ほんとならずっと一緒にいたい。もうすぐ別れなくちゃいけないって思ったら、なおさら、会いたくて会いたくてしょうがなくなる。……不倫だから下劣とか決めつけないで。自分だってしてるくせに!」
 
完治「俺は…」
美咲「じゃあ、お父さん。あの人とすぐに別れられる?」
言葉をなくす完治。
美咲「お父さんだって同じでしょ。家族を裏切ってる。」
 
完治からスマホを奪い、歩きだす美咲に、完治は「ちょっと待て、どこ行くんだ」美咲は「お風呂!」と言い捨て、立ち去る。
 
いつからか、二人の様子を見ていた春輝。
(ホテル・外)
真璃子が浴衣姿で、力なく歩く。
 
東屋のベンチに腰掛けていた春輝が、真璃子に気づき声をかける「ひとりですか?」
 
真璃子「ええ、ちょっと湯冷ましに。」
春輝 「いい、月ですね。」
真璃子「そうね。」
春輝 「あ、ちょっと、散歩しません?」
 
真璃子「きれいね。」
春輝 「夏にはこの先の川に、ホタルが出るんです。」
真璃子「そう、ホタル?…はぁきれいでしょうね。…美咲があなたみたいな優しい人に出会ってくれて、よかった。母親にとって娘って分身みたいなものなの。だから美咲が幸せなら、私も幸せ。」
春輝 「ほんとですか。ほんとのこと?」
真璃子「ほんとはちょっと、無理してるかな。あの子の若さが羨ましく思う気持ちもある。でも、仕方ないわよね。私も若い頃があったし、幸せな頃があったんだから。」
 
春輝 「真璃子さん?」振り返り、近づく。
真璃子は避けるように小走りして、「ああ、ホタル…」とつかまえるしぐさ。
※どしたどした。
自嘲気味に笑い、涙ぐむ。「バカみたいね。今の時期にホタルなんているわけ、ないのに。」
※情緒不安定すぎでしょう。
 
春輝はことばを遮るように、真璃子にキスをして、頬の涙をぬぐう。
真璃子は春輝の手を払い、立ち去る。
(乗用車内)
美咲「ね!次の道の駅、ラーメンが名物だって!」
春輝「じゃー寄ってく?」
美咲「そうだね!」
 
完治は景色を見ながら、昨夜の会話を思い返している。
 
美咲『不倫だから下劣とか決めつけないで。』
 
美咲『じゃあ、お父さん。あの人とすぐに別れられる?』
 
ホテルでの栞。駅で笑顔の栞。
(道の駅)
春輝 「きっとおいしいですよ。」
美咲 「お母さんもラーメンにすればよかったのに。」
真璃子「ん、でもお腹すいてないし。」
美咲 「いただきます。」
春輝 「いただきまーす。……ん!おいしい!」
美咲 「んー!」
 
真璃子《まるでなにもなかったみたい。…そうね、なにもなかったと思えばいい。この人はやさしいから、私の悲しみに、反応しただけなんだ。》
 
後から遅れて、コーヒーを手に完治が近づく。スマホを見る。
 
《ハイキング、キャンセルしてすみませんでした。近いうちに是非、行きましょう。》という自分のメッセージだけが表示されている。
 
完治《既読なのに。今までなかったのになぁ。どうしたんだろう。》
 
春輝がむせこむ。美咲は「勢いよく食べ過ぎなんだよ、もっとゆっくり食べて」と楽しそうに笑っている。完治は美咲を見て、また思い出す。
 
美咲『お父さんだって同じでしょ。家族を裏切ってる。』
 
(荻野倉庫・事務所)
「私、今月ピンチだわ」「じゃ今日、社食にしよっか?」と女性社員の会話が聞こえ、思い切ったように席を立つ完治。
(荻野倉庫・食堂)
栞の同僚の小俣房江(山口美也子)が完治を見て「もう、お腹すいたの?気が早いわね。あと3時間待って。」と声をかける。
 
完治「あのー、今日、目黒さんは?」
房江「栞ちゃんなら、昨日からお休み。忌引き。」
完治「忌引き?」
房江「お母さん、亡くなったんだって。」
完治「えっ!?」
(荻野倉庫・屋上)
完治はスマホでメッセージを送る。
 
完治《お母様のこと、伺いました。お悔み申し上げます。何か私が力になれることがあれば、おっしゃってください。》
 
(瀧沢家・キッチン)
水原聡美(八木亜希子)「これ今度、須藤先輩のところで出す新作の試作品なんだけど。どっちがおいしいか、食べ比べてみて。私はやっぱり、和栗がおいしいと思うんだけどなー。」
 
真璃子は、鬼怒川のホテルで、春輝からキスされたことを思い出してしまい、気もそぞろ。
 
聡美 「ねえ、どう思う?」
真璃子「へ?」
聡美 「もう、聞いてないんだからー。なに考えてんの?」
真璃子「ねえ、聡美。……最後に、キスしたのって、いつ?」
聡美 「えっ…なんでそんなこと聞くのー?まさか、誰かとキスした?ダンナとじゃないよね、誰と?」
真璃子「してないー。」
聡美 「誰と!」
真璃子「してないしてない。」 ※しました。
 
(荻野倉庫)
完治がスマホを確認すると、メッセージに既読はついているが、栞からの返事はない。
スマホをしまい、帰路につこうとしたところ、スマホのバイブレーションが鳴る。
 
栞《ありがとうございます。でも、心配しないでください。もう私に関わらないでください》
(斎場)
準備を抜け、スマホを操作する栞。
 
(日野家)
春輝が帰宅する。リビングのソファーに腰掛け、スマホを見る。
 
真璃子とのツーショットだ。
 
鬼怒川のホテルでのキスや、真璃子の涙を思い出す。
 
後ろから写真や春輝の様子を見ていた、母・冴が「おかえり」と声かける。
 
春輝「動いて大丈夫なの?」
冴 「のどが渇いたから…」
春輝「言ってよ、俺やるから。」
冴 「大丈夫よ。」
 
(瀧沢家・リビング)
完治は喪服で階段を降りてくる。
 
真璃子「お葬式?」
完治 「ああ、専務のお母さまが亡くなったんだ。」
 
完治のことばに、真璃子が思い浮かべる。
 
真璃子『主人に用でしょうか。
栞  『すみません、間違えました。』
 
「じゃ、行ってくる。」という完治を呼び止め、「これ、使って。」と真璃子は袱紗を手渡す。
 
完治「ありがとう。…いってきます。」バタンという玄関の音が、いつもより響く。
 
(斎場)
「ありがとうございました。」と参列者を見送る栞は、完治が来たことに気づく。
 
互いに歩みより、深々と頭を下げ合う。
 
完治「ご焼香させていただいて、よろしいですか。」
※お焼香て。鳥居があったのに神道ではないのか。
栞 「どうぞ…」と力なく答える。
 
受付を手伝う同僚・房江は、そんな二人を不思議そうに見ている。
 
(居酒屋)
店主・徳田(小野武彦)は喪服姿の完治に「誰か亡くなったの?」と声かける。
 
完治「この前、ここに連れて来た人いるでしょう。彼女のお母さんが。」
徳田「そう…。」
完治「ね、大将。俺と彼女、どういう関係に見えました?」 ※めんどくせぇ質問。
徳田「……付き合ってんだろ。」
 
完治「ん、そうですね。付き合ってる…。でも、男と女の関係じゃない。ええ、だからいいと思ってたんですよ。だから、まだ、不倫じゃないって。ん、こころん中で言いわけしてた。自分では、踏みとどまってるつもりでいた。いや、なんなんすかね、不倫って。不倫。倫理にもとる。……じゃ妻以外の女性を好きになって、その人が大事になったら、それは倫理にもとるってことですか。……彼女のことが、大切で。なんかあったら、駆けつけて力になってあげたい。でもなんーにもできなかった。お母さん、亡くなったってのに。……んー、なんか、自分のことばっかりで、なんにも彼女のこと、してあげれてないや。」
 
徳田「難しく、考えんなや。自分が、どうしたいか。ただそれだけのこと。」と料理を差し出す。
 
徳田のことばを聞き、ハッとする完治。
 
返事も礼も言わず、差し出した料理には目もくれず、カネも払わず店を出る。 ※それ犯罪です
(栞の自宅)
暗い部屋に帰宅する栞。電気を点ける。
父の仏壇の前に、母の遺骨と遺影、位牌を置く。
 
マフラーを外し、コートのまま、手を洗う。
急須を食卓に置き、やかんに水……、その場に泣き崩れる栞。
 
悦子『あなたには、私がいるじゃない!』
 
母の笑顔を思い出す。玄関のチャイムが鳴る。
 
タオルで涙を押さえ、玄関を見ると、ガラスの向こうの人影が完治だった。
栞は、もう一度手で目頭を押さえ、こころを落ち着かせ、玄関を開ける。
 
完治「大丈夫ですか。僕にできることが、なにかないかと思いまして。」
栞は、首を横に振るが、完治は「おじゃまします。」と一礼して、強引に室内に入る。
 
静かに扉を閉める栞。
 
カバンを置き、コートの前ボタンを開け、完治はまた頭を下げ、「すみませんでした。」と栞に謝る「状況もわかってなくて、あなたの力にもなれてなくて。」と。
 
栞「私のこと、かわいそうだと思ってます?……かわいそうじゃないですよ、私。だって…楽になったんですから。……今だから言えますけど、ほんと、キツかったです。認知症で徘徊がはじまってからは母につきっきりでしたし、ヒステリー起こされて、茶碗ぶつけられたこともあったし。施設に預けてからは、私の体は楽になりましたけど…いつも母のことが気になって。…ん、その重しが取れたんです。」
 
栞は初めて、完治の顔をまっすぐ見つめ、「はい、すごく楽になりました。」と、ことばとは反対に、顔をしかめて泣く。
 
完治「あなたは充分に、よくやってらっしゃいました。お母様も、きっと、喜ばれているはずです。」
栞 「あの……ごめんなさい。あの…私…、瀧沢さんが旅行中に、携帯に電話かけてしまいました。母が亡くなった時、このままずっと一人なのかなと思ったら、急にこわくなって、どうしても声が聞きたくなって…。そしたら、あの…奥様がお出になって。間違い電話のフリしたんですけど、きっと奥様は、わかってしまったと思います。本当にごめんなさい。」
完治「そうですか。」
栞 「完全に、ルール違反です。」
 
ついさっき完治が外した完治のコートのボタンを、栞は閉めながら続ける。
 
「でも、今なら、間に合います。」と無理に笑顔を作り、「今なら私たち、まだ、間違いを起こしてないから。」と完治のカバンを手渡し、「すみません、帰ってください。」と完治の体を思い切り押し出す。
 
「帰ってください、帰ってください」と繰り返し、押す栞。
完治は栞の腕をつかみ、揉み合いになり、部屋に押し戻される。
完治は強引に栞を抱きしめて落ち着かせ、両手で栞の顔を包み、キスをする。(完)
 

第5話:まとめと、言いたい放題ドラマ評

(まとめ)
  • 石川は枯れ専。
  • 「結婚と恋愛は別。誰でも知ってる」「 不倫だから下劣とか決めつけないで。」「じゃあお父さんはあの人とすぐに別れられる?」等と娘の発言にたじたじな蔵之介。
  • 中山は蔵之介の浮気を確信しているが、責めるわけでもなく、若い男の前でだけウジウジして見せる。
  • 流星はママンと毎年鬼怒川に旅行に行っている。
  • 黒木は母を亡くし、うっかり電話したら中山につながり蔵之介との先行きに暗雲を感じ、ダブルで意気消沈。
(言いたい放題ドラマ評)
蔵之介とのシーン(冒頭のホテル・エンディングの栞の自宅)では華奢さ、健気さ。母とのシーンでは悲しみと儚さが際立っていました。あざといとも言えるキャラだが、演技としてみると今週の黒木は抜群。
 
春輝の母「お母さんも、また、春輝とでかけたいわぁ。外でおいしいもの食べたり、映画見たり…」
真璃子「 母親にとって娘って分身みたいなものなの。だから美咲が幸せなら、私も幸せ。」
もうこのドラマの「母親」は子どもに依存しすぎて、気持ち悪いデスー。
 
しかし、真璃子の「ああ、ホタル…」ってなに。節子?節子なのか?

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